Fate/Zeroの感想。

 Fate/Zero全四巻、読了。まさに外伝ならぬ正伝。
 そのクオリティ、熱意ともに本編にまったく引けをとらないみごとな前日譚でした。
 個別の感想としてはやっぱりライダーが屈指の熱さ。こんな王になら仕えたいわ。
 ウェイバーの成長ぶりがこの作品でもっとも嬉しいところ。命をかけた11日間の戦いは、鬱屈した少年を立派な男に変えました(ついでにゲームオタクにしました)。
 ランサーは本当に主に恵まれないクラスですね。この次の聖杯戦争でもアレだし、これもうクラス特性なんじゃね? というくらい不憫。
 ロードエルメロイはなんかやるだけやって、でもダメでしたー的な。完膚無きまでの負けっぷり。実力もあったし、準備も怠っていなかったのに相手(の性格)が悪すぎた。あと運も悪かった。そしてソフィアはちょっとエロすぎた。
 キャスター・雨竜組はなんかずっと楽しそうでした。この二人はこのままでいいと思う。
 アーチャーの傲慢な態度のうちに時たま垣間見える洞察力の鋭さが好き。
 神父は見事ドSに目覚めるの巻。凛に対する仕打ちとその喜びようは完全に変態です。反省しなさい。
 アサシン普通にカワイソス。
 遠坂師父もカワイソス。アサシンと遠坂師父はドS神父にさえ巡り会わなければ。
 雁夜は今回の参加者の中でぶっちぎりにヒドい目にあってますね。最後にほんの少しだけでも夢が見れて良かった。
 バーサーカーの正体は……セイバーさんフルボッコのコンセプトにこれ以上ないほどハマっていました。エグすぎる。よくこの心境から次回の聖杯戦争までに立ち直ったなと。セイバーつよい子だよ。
 それにしても今回の聖杯戦争でのセイバーはとにかく否定されまくって心ボッキボキですね。なんたるイジメ大会か。マスターに無視され、酒の席でセクハラされ、大事な約束を守れず、大切な人から恨まれ、最後は令呪によるパワハラを強いられる始末。裁判したら勝てる。
 あと切嗣は聖杯とか言峰神父に対してはいろいろと思うところはあったんだろうけど、結局本当に最後の最後まで、徹頭徹尾セイバーのことを道具扱いでしたね。たぶん好きでも嫌いでもなかったんだろうな。好意の反対は無関心と申します。


 それと知っている人は知っていると思いますが、一応補足を。聖杯戦争をくぐり抜けたウェイバーがこの後どうなったかは「Character material」で一部明らかにされています。同人ショップなどで入手可能なはずなので、ぜひ手に入れて読みましょう。「ウェイバーさん、どうしてそんなことに!」てな感じでニヤりんぐしまくりですよ(名前が変わってるので注意)。


 そんでまあ、今回の聖杯戦争に参加したマスターとサーヴァントの感想を勝手に想像してグルーピングするとこんな感じかな。

【目的は叶わなかったが、それでも参加して良かったよ組】
・ライダー
・ウェイバー
バーサーカー
・キャスター(なんだかんだで最後まで楽しそうだったから)
・雨竜龍之介(同上)
・アーチャー(実はたなぼたで一番トクした人)
言峰綺礼(秘めたる性癖に気づいた)


【参加して失敗したよ(ヒドイ目にあったよ)組】
・ランサー(登場する作品を間違えた。恋愛シミュレーションに出たら即優勝)
・ソフィア
・ロードエルメロイ
・セイバー
衛宮切嗣
・間桐雁夜
・アサシン
遠坂時臣

 一番得したのは間違いなくアーチャー。さすが金ピカ。一番ヒドい目にあったのは間違いなく雁夜。最初から最後までほんとにもう……。うわーん。